80年代頃までの原宿から南下し、現在の若者の暴動メッカになった渋谷。
ハロウィンでのお祭り騒ぎも毎年の風物詩になりつつあります。
(近隣住民の方にはたまったものではないでしょうが・・・)
諸説あるようですがその一説では、10月31日、古代ケルト人のもとに先祖の霊が還る(日本でいうお盆のような時期ですね)のと同時に悪霊が訪ねてくるとされ、その悪霊たちに目をつけられないように幽霊や死者に仮装した、という「サウィン祭」が由来するとのこと。
それが時を変え場所を変え、ここ10年くらいで一気にハロウィンが浸透した感のある日本においては
・トリック・オア・トリート!の掛け声とともにお菓子をもらって回る子ども
・コスプレ文化の延長線上で街を仮装して歩く大人
が文化として成立しました。
「子どもが家を訪ねてお菓子をもらう」大分県の風習
古代ケルトの厄払いが転じてアメリカでは、仮装した子どもたちが「trick or treat!」と家を訪ねて回るようになりました。
それと同じような伝承が、九州・大分県に残っています。
その名も「おせったい」(または「おこぼさま」)。
民家に上る赤い旗が目印
大分県、特に国東半島に残るこの風習は、ハロウィンとおよそ半年違いの4月21日頃(地域により差異あり)に行われています。
真言宗の開祖・弘法大師(おこぼ様・空海)が入寂、つまり亡くなったのが承和2年3月21日。
その日を縁日として民家の縁側に空海像を置き、祠やお堂に参った外来客人に対する「お接待」としてお菓子を振る舞う、というのが「おせったい」です。
この日は地域の小学生やお年寄りが「おせったいが出るで」と集落を往来し、その日の目印となる赤い旗を掲げた民家を目指します。お参りして小銭を納めたら供えてあるお菓子をもらえる、というもの。
お菓子はめがね菓子や落雁など昔ながらのものから、近年では子どもが喜ぶ駄菓子や配りやすい大きさのスナック菓子まで様々。
由来は違えど、民家を回ってお菓子をもらうというスタイルは現代のハロウィンと似ています。
『神仏の郷』として古くより仏教文化と深い繋がりのある宇佐・国東地域で、この文化が脈々と受け継がれているというわけですね。
四国「お遍路さん」や山口・広島でも
四国八十八ヶ所を巡礼する「四国遍路」でも、お遍路さん=大師様という考え方から、「お接待」という功徳の風習は根付いています。また、大分県のものと同じような形でのおせったいは山口県や広島県の一部でも残っているようです。
http://ubenippo.co.jp/local/post_972/
https://blogs.yahoo.co.jp/kmwwy471/13386186.html